聖霊降臨後第9主日
今日のみことばは、イエスがおよそ5000人以上の群衆にパンを与えるという奇跡の場面です。弟子たちは、夕暮れ近くなってもなおも人々を癒し、教えておられるイエスに対して「……だいぶ時間がたちました。群衆を解散させてください。そうすれば、あちらこちらの村に行って、めいめい食べ物を買うことができます。」と言います。弟子たちは、これほどの人数のために、とてもとても食物を与えることができないし、自分たちの手元にある、「5つのパンと2匹の魚」では、焼け石に水と思っていたのです。
イエスは、その僅かな「5つのパンと2匹の魚」を弟子たちに持って来させ、「5つのパンと2匹の魚を取り、天を仰いで賛美をささげ、パンを裂いて、弟子たちにお渡しに」なられます。ここで、イエスがなさったことは、【最後の晩餐】で聖体を制定された場面と同じです。群衆は、弟子たちが配った「パンと魚」を食べて満腹になるまで食べることができました。それは、群衆が食べた「パンと魚」の中にイエス・キリストが入っておられたからではないでしょうか。
私たちは、イエスから与えられたそれぞれの「信徒使徒職」を行います。私たちは、イエスに「私は5つのパンと2匹の魚【しか】持っていません」と言います。しかし、イエスは、私たちのその【小さな業】を祝福され【多くの実り】に変えてくださるお方ではないでしょうか。イエスは、私たちとともにいてくださり、一緒になって人々へご自分の【いつくしみの愛】を示されます。私たちは、そのことに信頼と希望を持って日々を歩んでゆくことができたらいいですね。
マタイによる福音書第14章13-21節
2020年8月2日