使徒聖ペテロについて

ペテロは、貧しい漁師の子として生まれ、弟アンデレと共に漁をしながら信心深い生活を送っていたといわれます。ペテロが漁をしているとき、イエスから「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」(マタイ4:19)と言われ、イエスの後に従いました。彼の名はシモンでしたが、イエスが「岩」を意味する「ペテロ」という名をつけられました。後にイエスから「あなたはペテロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。わたしはあなたに天の国の鍵を授ける」(マタイ16:18-19)と約束されました。
西暦67年、皇帝ネロによってキリスト教迫害が始まり、ペテロはローマから逃れようとしましたが、そのとき、十字架を背負ったイエスに出会いました。ペテロが「クオ・ヴァディス・ドミネ」(主よ、どこに行かれるのですか)と尋ねると、イエスは「わたしは、再び十字架につけられるためにローマに行くところだ」と答えられました。ペテロは、それを聞いて自分の使命を悟り、ローマに引き返し、進んで十字架に逆さまにつけられて殉教しました。ペテロが処刑された場所に、サン・ピエトロ大聖堂が建てられています。