聖霊降臨後第14主日
きょうのみことばは、「罪を犯した兄弟に対しての癒し」がテーマのようです。イエスは、「もし、あなたの兄弟が罪を犯したなら、行って2人だけの間で、彼をいさめなさい」(フランシスコ会訳注聖書)と言われます。なぜ、2人なのでしょうか。それは、彼のための大切な場であり自分を見つめ直す場だったからです。この彼は、傷つき、弱り果て、恥ずかしくて大勢の前に出ることすらできないのです。
イエスは、この罪人に対して【裁く】のではなく【いさめなさい】と言われます。この友人は、イエスです。もしくはイエスが友人と一緒になって「どう。大丈夫、辛かったね。寂しかったね」と彼の側に来て声をかけてくださるのです。もし、それで彼の心が癒えることができたらそれは素晴らしいことです。
しかし、みことばにあるように、「聞き入れない」場合もあります。その時は、「ほかに、2人または3人を連れて行きなさい。」と言われます。きっと、彼の罪の傷は深いものなのでしょう。もしかしたら、本人も何が罪なのかをわからないでいるのかもしれませんし、意固地になって自分の中に塞ぎ込んでいるのか、周りの優しさ、いつくしみの愛に気づくことができないでいるのかもしれません。
最後は、教会に委ねます。イエスは「もし、教会の言うことも聞き入れなければ、彼を異邦人か徴税人と同様にみなしなさい」と言われます。これは、教会からの破門を意味していますが、おん父のみ旨は「1人でも滅びることがない」ことです。彼が癒されるのには、時間がかかるのでしょう。それだけ彼の心は傷ついていたのです。
もしかしたら、この「罪人」は周りの誰かかもしれませんし、私自身なのかもしれません。「罪人」を癒すことができる方は、イエスしかおられません。私たちは、謙遜な心で「私の罪の傷を癒して下さい」と祈り、願うことができたらいいですね。
マタイによる福音書第18章15-20節
2020年9月6日