降臨節第3主日
今日の福音でルカは、洗礼者ヨハネのところに実に多くの人、様々な人が洗礼を受けにきた様子を語っています。ヨハネはその人々に、服や食べ物を持っていない人に持っている人は分かち合うように、また徴税人には「規定以上のものは取り立てるな」と、兵士には「金をゆすり取ったり、だまし取ったりせず、自分の給料で満足せよ」と呼びかけます。徴税人も兵士もヨハネの勧めに耳を傾けたいと願うほど、人の心に訴えかけるものを、ヨハネはいただいていたのでしょう。しかし、そのヨハネは自分のことは何一つ言わず、イエスのことを人々に告げ知らせます。「わたしよりも優れた方が来られる」
「その方は、聖霊と火で洗礼をお授けになる」と。
聖霊と火……主の霊と主の愛……。
私たちにとって最も大切なもの。それは、主の霊と主の愛。それなしでは、私たちが他の人を本当に大切にして生きることができない。
そしてヨハネは、麦と殻のたとえ話をしてくれます。私は麦のことはよく知りませんが、お米のことは少し知っています。先月、お米のもみすりの後に出たたくさんのもみ殻を袋に入れる仕事を手伝いました。もみ殻を畑で使えるようにするためです。もみ殻はとてもあたたかいです。父はお百姓で、毎年秋に玉ねぎの苗作りをします。畑にもみ殻をたくさん敷き、竹を組んで火をつけ、もみ殻焼きをします。そうすると土が焼けて草が生えにくいので、苗がいいように育ちます。しかし、もみ殻を焼くのは容易ではありません。火が点きにくく焼けるのに時間がかかります。でも、一旦火が点き燃え始めると多少の雨が降っても、消えることがありません。そして焼けた土と殻の灰は手に取ると、とっても柔らかく種を蒔くのに最良の土になります。
ヨハネは言います。「麦を集めて倉に入れ、殻を消えることのない火で焼き払われる」と。
主の愛は、私たちのこころのうちで燃え始めると、消えることがない。私たちのこころを、あたたかく、そしてやわらかくしてくれます。
イエスの愛で、私たちのこころが、あたたかくなるように。
主の愛を、信じて。
ルカによる福音書3章7-18節
2021年12月12日