聖霊降臨後第9主日

私たちは、「大と小」「多いと少ない」「広いと狭い」というように、物事を比べることがあります。たとえば「大きい家と小さい家」「多い財産と少ない財産」「広い庭と狭い庭」などと、何かを比べるときに使います。私たちは、どちらかと言うと「小」よりも「大」の方がいいし、「少ない」よりも「多い」方を選ぶことを望んでいるのではないでしょうか。
今日のみ言葉の始めは、「小さな群れよ、恐れるな」というイエスの言葉で始まっています。この【小さな群れ】というのは、イエスに従っている弟子たちのようです。パウロの手紙では「あなたがたが召されたときのことを、思い起こしてみなさい。人間的に見て知恵のあるものが多かったわけではなく、能力のある者や、家柄のよい者が多かったわけではありません。……また、神は地位のある者を無力なものとするため、世の無に等しい者、身分の卑しい者や見下された者を選ばれたのです(1コリ1:26-28)」とありますように、私たちが考えているような基準ではないようです。
イエスは「あなたがたの父は喜んで神の国をくださる」と言われ、この小さい群れである弟子たちに【神の国】を約束されます。そのために弟子たちは「自分の持ち物を売り払い施すこと」を要求されます。弟子たちにとって「自分たちの財産を売り払う」ことは、明日からの生活がどのようになるか保証がない状態です。イエスは、自分たちの財産を売り払うことで「神への全幅の信頼」を置くということを示されたのではないでしょうか。
イエスはさらに「尽きることのない富を天に積みなさい」と言われます。イエスは、「自分の持ち物を売り払って、貧しい人に施すことは、『富を天に積む』ことになるのですよ」と言われているのではないでしょうか。
イエスは、貧しく小さな私たちが自分たちの能力や財産、時間などを使って周りの人に施すことを示してくださっているのではないでしょうか。私たちが神に全幅の信頼を持って仕え、「神の国」に入ることができたらいいですね。

ルカによる福音書12章32-40節

2022年8月7日