大斎節第4主日

まず、福音朗読について述べます。「『主よ、信じます』と言ってひざまずいた。」目の見えない人がイエスに支えられて見えるようになり、その後、再びイエスと出会って告白した言葉とふるまいは、私たちに信仰宣言の模範を示してくれます。信仰宣言は口で明確に主へのおもいを告白しつつ、身体全体でも敬虔な姿勢を表明することによって為されます。言わば、言葉とふるまいとが一致するときに、私たちは真実の信仰を告白することになるのです。
次に旧約聖書では、ダビデが油を注がれてイスラエルの王となった経緯が語られています。ダビデは小さな者でしたが、神からの期待によって新たな使命を受けました。神は相手を選んで大きな役割を授けることで、新たな時代を創造するのです。
さらに使徒書では、死者の中から自発的に立ち上がることを、パウロがエフェソの教会のメンバーに対してせつせつと訴えかけています。人間は小さな者ではありますが、神の支えがあれば大きな使命を果たすだけの可能性を秘めている存在なのです。
こうして、三つの朗読箇所からわかることは神からの選びの尊さです。小さな人間でさえ、神の支えによって大きく成熟することができるのです。私たちも目の見えない限界をかかえながらも、神の助けをすなおに願い、新たな次元に向けて立ち上がる決意を新たにするように励まされているのです。

ヨハネによる福音書9章1-13、28-38節

2023年3月19日