聖霊降臨後第13主日
今日の福音書の平行記事はルカやマルコにも見られる。いずれの福音書でも、この個所はパンのしるしの後に置かれている。この時からイエスは、自分と弟子たちが進むべき、これまでとは異なる道を見つめなおし、群衆から離れ、弟子たちだけを伴い、ガリラヤ地方の北、ヨルダン川の源流に位置する 外国のフィリポ・カイサリア地方へ退かれる。
イエスに福音宣教の転換期が近づいた。 転換期は多くの場合、思いがけなく人生に“起こって来る”ものであり、選択を求められる時である。イエスがこれまで選んで来た宣教とは、父なる神の御心に従い、その“ドリーム” を実現させ、人々のためにアガペーの愛とシャロームの平和への道を開くことであった。
イエスは、自分と親しく関わっている弟子たちの答えも求める。ペトロはイエスに対して自分の信仰告白を述べる。「あなたはメシア、 生ける神の子です。」このことばはマタイの初代教会の信仰告白であろう。こうして、ペトロの口を通すことで、ペトロがこの初代教会の信仰告白の“創始者” であると伝えたかったのであろう。
イエスはペトロに話しかける。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。」マタイ16:16のペトロの信仰告白は、天の父がペトロに示した「啓示」から来たものである。はかない人間としてのペトロの努力や功績の結果ではない。 シモンはイエスから新しい名を与えられる。ペトロス(石・岩)に通じる名。この名はイエスの“メシア的な共同体” の中での彼の新しい役割を示す。すなわち、教会共同体の土台や礎となる役割である。ここでイエスは、この共同体の揺るがない霊的かつ歴史的な安定感 (悪に打ち勝つ力)を約束する。つまり、神の御心はイエスのことばや行いに表されており、イエスの共同体には、権威を持ってそれらを解釈する首位権が与えられていることを意味している。
「それでは、あなたはイエスを何者だと言うのか」の問いに真実な “自分の答え” が求められる時も来る! 私たちの信仰の転換期は試練の時であり、成長するチャンスでもある。今日、その識別ができるように黙想し、祈り求めたい。
マタイによる福音書16章13-20節
2026年8月23日

