降誕後第1主日
家族は、私たちにとって最も身近で、最も小さい共同体です。
イエスにとって初めての共同体は、父ヨセフと母マリアとの家族でした。
ベツレヘムという町の片隅にはじまった、小さな家族。しかし、小さくても、あたたかな光を放ち、
その家族を囲んで、羊飼いと羊たち、博士たちや動物たちが集いました。
こうしてこの世にお生まれになったイエスは、
私たちが皆、家族であることを教えてくれています。
父である神の子どもとして生かされている私たちは、同じ父をもつ兄弟姉妹であり、家族です。
しかし家族であるということは、良いことばかりではありません。
知人や友人とは違って、良いところと同じだけ、悪いところも知っています。
今年一年を思い返すと、嬉しかったことや喜んだ記憶と同時に、悲しみや悔しさの記憶も蘇ります。
ともに喜び、ともに悲しむ。笑顔に救われるときもあれば、傷つけ合ってしまうときもある。
強さも弱さも知っている。そんな関係が家族ではないでしょうか。
私たちは、一人ひとりが皆、父なる神に愛されている子どもです。
キリストに呼び集められて結ばれた私たちは、血縁をこえて、兄弟姉妹となり、家族となりました。
そして、一度家族になったなら、そのつながりは消されることがありません。
家族であるということ。
それは、良いところだけでなく弱さをも認め合い、
互いのいのちに仕え合って生きるということなのではないでしょうか。
イエスが生まれ育ったささやかであたたかな家族のように、
その光を求めて自然と人々が集うような家族、共同体でありたいと思います。
ヨハネによる福音書1章1-18節
2020年12月27日