大斎節第3主日
大斎節第3主日に入り、みことばには過越祭に向けて賑わうエルサレムの様子が描かれています。人々は、イスラエルの全地方からエルサレムの神殿に向かって来ています。イエスと弟子たちもほかの人たちと同じように、エルサレムの神殿に向かいました。
エルサレムの神殿の境内では、牛、羊、鳩を売る者や、座って両替をしている者がいました。これは、神殿で主なる神へ生贄を献げる人々のために便宜を図っていたのです。本来ならば人々は、これらの動物を自分の家から準備して連れて来るものであったようです。
しかし、遠くから来る人、家畜を養っていない人は、生贄を捧げることができません。そのような人たちのために、彼らは商売をしていたのです。 イエスは、彼らに対して「このような物はここから運び出せ。わたしの父の家を商売の家にしてはならない」と言われて彼らを追い出します。彼らが商売をしていた神殿の境内は、「異邦人の庭」と言われる場所で、ユダヤ人たちが祈る場所と区別されていたようです。商人たちは、異邦人が祈る場所で商売をし、異邦人が祈ることを邪魔するばかりか、彼らの信仰さえも蔑ろにしていたのです。
イエスは、そのような彼らの心ない行動や、それだけではなく、神殿を管理している大祭司や長老たちとの金銭的な問題、収益で私腹を肥やす人々のことも含めて、彼らを追い出したのではないでしょうか。
本来、祈りの場であるはずの神殿では、権力者と商人の癒着などの汚い面があり、またそれが、真剣に祈ろうとしている人たちの場を奪っていたのです。
主の復活を前にして、私たちの内にある【神殿】は、どのような状態でしょうか。今一度振り返ってみて、整理してイエスの復活を迎える準備ができたら良いですね。
ヨハネによる福音書2章13-22節
2021年3月7日