聖霊降臨後第25主日

目覚めた者として生きることのかけがえのなさ。
キリストの唯一のいけにえ。
いのちの現実を注意深く眺めながら生きること。
このような三つのポイントを今日の三つの朗読箇所が私たちに思い出させます。
雲が遠くから次第に近づいてくる様子は、イスラエルの人々にとっては恵みの雨の到来を予告していました。
つまり、乾燥した大地で暮らしていた人々にとって、雲が実感させる雨の到来は、まさに貴重な出来事でした。
救い主が雲に乗って到来するというイメージは、圧倒的な救いの実現を示すものです。
私たちは、今日、こちらに近づいてくるキリストの圧倒的ないつくしみを待ちつづけているでしょうか。
もしかしたら、しるしに気づいていないのかもしれません。
それゆえ、絶えず目覚めていたいものです。
徹底的に自分を与え尽くして相手をかばい、守るキリストのいけにえとしての愛情深さを注意深く眺めることがキリスト者にとっては必要です。
困難な状況がつづくとき、人間は自分たちの限界に気づきます。そのときこそが、新たな再出発のチャンスとなります。すなおに、相手の助けを待つことができるようになり、キリストが到来して私たちを勇気づける道筋が整うからです。
状況を見きわめることが人間にとって最も大事なことです。私たちは自分の個人的な心の内面だけを見て落ち込みがちです。
しかし、今日の三つの朗読箇所は、心を開いて物事を注意深く見きわめるべきことを確認させてくれます。
まさに、ときのしるしを読み取る姿勢が、私たちを成長させるのです。
キリストは弟子たちに生き方の極意をゆっくりと語って聴かせます。

マルコによる福音書13章14-23節

2021年11月14日

主日の福音から

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