降臨節第2主日
最近の自動車は、カーナビゲーションがついていて、初めて行く場所でも、正確に目的地まで案内してくれます。以前地図を頼りに行っていたときは、本当にこの道でいいのか、目的地まで行くことができるのかと不安になることもあったのですが、カーナビゲーションがあれば本当に便利で、安心して目的地に行くことができるようになりました。
今日のみことばは、イエスが宣教される前に、洗礼者ヨハネに神の言葉が降った場面です。みことばの冒頭は、何人かの歴史的な人物が描かれ、どのような時代だったのか、また、どのような政治が行われていたのかがわかるのではないでしょうか。もしかしたら、彼らの圧政のために人々は苦しい生活を強いられていたのかも知れません。
そんな時、荒れ野にいる洗礼者ヨハネに【神の声】が降ったのです。荒れ野は全くの神への全幅の信頼がなければ生きていけない場所でした。そこには、皇帝をはじめ総督、領主の政治的な力が及ばない場所でもあり、神と一対一の世界と言ってもいいでしょう。
洗礼者ヨハネは、ヨルダン川周辺で神の福音を告げ知らせ、罪の赦しへと導く悔い改めの洗礼を宣べ伝えていました。人々の中には、自分の生活に対して不安を持っていた人もいたのでしょうし、生活が豊かでも、罪の状態、生ぬるい生活に気づき始めた人もいたのかもし知れません。彼らは、自分の弱さ、罪の状態と向き合い始めていたのです。そんな彼らは、洗礼者ヨハネの言葉や生き方が新鮮に感じられ、琴線に触れたのではないでしょうか。
福音には、「主の道を整え、その道筋を真っ直ぐにせよ」とあります。私たちは、自分が歩んでいる道が真っ直ぐなのか、曲がっているのか、でこぼこなのか気づかないまま苦しんでいるのではないでしょうか。聖霊は、そんな不安な私たちの心をおん父の方向へ導いてくださいます。私たちは、改めて自分の心の中に目を向け、心の耳を澄ませて聖霊の導きに従いながら、おん父の方に向かって歩むことができたらいいですね。
ルカによる福音書3章1-6節
2021年12月5日