聖霊降臨後第5主日
今日の福音で、ある律法の専門家がイエスを試そうとして質問します。彼は“試そうとした”のですから、真剣に心をこめてイエスに尋ねたわけではありません。しかし、イエスはそのような彼の質問に対して、とても丁寧に答えられます。
それはきっと、イエスが対面している彼のためだけでなく、このやりとりを聞いている全ての人のために、今、この福音に耳を傾けている私やあなたのために、イエスがそうなさっていると感じます!イエスの質問に対して、律法の専門家はこう言います。
「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。また、隣人を自分のように愛しなさい、とあります。」
そこで、イエスは「それを実行しなさい。そうすれば命が得られる。」と言われます。
“命が得られる”
このイエスの言葉が、とても心に響きます。
命は、与えられたもの。
神を愛し、他者を愛することで、与えられた命に、また、新たな命が与えられる。
愛することによって与えられる命は、無くならない。
不思議ですが、とても心に響きます。
「わたしたちは、神を愛し他者を愛するためにこの世にいるのです。他の何が変わろうとも、このことだけは変わりません。」という言葉があります。
イエスは、律法の専門家とのやりとりの終わりにこう言われます。
「行って、あなたも同じようにしなさい。」
旅をしていたサマリア人は、追いはぎに襲われ傷つき倒れた人を見て近づき、介抱しました。
実に、イエスはこの旅するサマリア人のような方です。
「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。(ヨハネ15:12)」
イエスが命をかけてわたしたちに残してくれたこの言葉を心に抱き、日々生きていくことができますように。
ルカによる福音書10章25-37節
2022年7月10日