顕現後第3主日
自らの生き方を見つめ直してから、よき知らせに信頼して出発すること。その新たな歩みは「すぐに」なされるべきものでした。イエス・キリストが声をかけると、シモンとアンデレは「すぐに」ついてゆきました。そして、その後もイエス・キリストは「すぐに」ヤコブとヨハネにも声をかけ、彼らもまた「すぐに」ついてゆきました。イエス・キリストも弟子たちも「すぐに」前進します。「すぐに」という緊急性をともなう動きは、よき知らせを受け留める者たちの特長でもあります。
たしかに、私たちもまた、尊敬すべき人物から声をかけられると、それまでの仕事をほっぽり出してまでも急いで従います。あるいは、親しい友や恋心をいだいている想いびとなどのほんとうに大好きな相手がそばに来た場合もまた、私たちも何にもまして、いの一番についてゆくことになります。間髪入れずに、「すぐに」動くときの人間のふるまいは、相手を尊敬しているか、相手を大好きな場合に際立ちます。
とするならば、イエス・キリストは弟子たちにとっても私たちにとっても、尊敬にあたいする大好きな相手としての魅力にあふれていることになります。相手を尊敬して好む姿勢で「すぐに」協力する姿勢を、絶えず意識して歩むことが福音の立場なのでしょう。二千年前の弟子たちは、イエス・キリストを尊敬し、愛情を感じて全力で協力しようと努めていたことが「すぐに」という短い言葉から如実に伝わってきます。その迫力に満ちた親密さを、現代の私たちもまた実感しているはずです。教会共同体の二千年にわたる歴史は、まさに「すぐに」イエス・キリストについてゆく信仰者たちの織り成すひびきあいにおいて洗練されてきたのです。
イエス・キリストとともに歩むことこそが、一層最善なる状態として希望をもたらすことなのです。
マルコによる福音書1章14-20節
2024年1月21日