聖霊降臨日
イエス・キリストは御父のみむねを果たして、あらゆる人にいのちを授けてから天の国へと前進するに際して、この世に残される弟子たちに後を託します。しかも、ただ単に弟子たちだけにまかせきりにするわけではなく、むしろ力強い助けを与える約束をしています。キリストは常に先のことを徹底的に計算し尽くしています。
そのようなキリストのおもいに沿って弟子たちを支える強力な「弁護者」が聖霊です。聖霊は「真理の霊」とも呼ばれています。弟子たちは欠点の多い人間たちです。しかし、聖霊による支えを得て、信仰の立場を力強く保つことができるようになります。
聖霊は相手を弁護して正しい信念を貫かせるとともに、物事の真実性を保証します。私たちも心から納得して生きているときには、正しい行動を選ぶことができるようになります。心のおもいが自分の行動を方向づけます。聖霊という力強い味方を得るときに、弟子たちと同じように、私たちも正しい心のおもいを保って行動できるようになります。
聖霊降臨の出来事は、弟子たちに力強い味方としての聖霊がたしかに降り注いだことを伝えています。聖霊が天から炎のように激しく降り注ぐイメージは、人間的なレベルをはるかに超える力強い愛の情熱的なエネルギーが、弟子たちを後押しする動きを描いたものです。圧倒的な愛情の力がみなぎって、力強く生きることができる「新しい人間」が誕生します。そのような愛情の力を備える信仰者たちの集まりが教会共同体なのです。
聖霊によって強められた人間が生み出す生き方の実りに関しては、聖パウロがガラテヤの信徒への手紙のなかで見事に要約してくれています。「霊の結ぶ実は①愛であり、②喜び、③平和、④寛容、⑤親切、⑥善意、⑦誠実、⑧柔和、⑨節制です」(ガラテヤ5:22−23)。これら九つの特長をみれば、聖霊によって息吹かれて支えられている人間の「新しい姿」をつかむことができます。九つの特長に共通するのは「他者を愛する」という「開かれた姿勢」です。
ヨハネによる福音書20章19-23節
2024年5月19日