降誕後第2主日

明日、6日は、クリスマスから12日目、顕現日です。
顕現日は、東方の占星術の学者たちがお生まれになった【ユダヤ人の王】を拝みにエルサレムのヘロデ王のもとを訪れることを憶えます。彼らは占星術の学者ですから、いつも天体の星を眺めていたのでしょう。それで、いつもと違う特別な星を見つけることができたのです。彼らは、直ぐさま【ユダヤ人の王】を拝むために旅支度をしてエルサレムに向かいます。この占星術の学者が出てきた【東方】というのは、バビロンのことを指しているようです。もし、そうでしたら何らかの形でユダヤ人たちとの関わりがあったのかもしれません。ユダヤ人たちが及ぼした主なる神への信仰の姿は、当時のバビロンにも影響を及ぼし、歴史の中で生き続けていたと考えてみると、彼らが【ユダヤ人の王】を拝みに来たというのも偶然とは考えられません。
ヘロデ王は、彼らの言葉を聞いて不安を抱きます。それは、彼の地位や権力が危うくなるからでした。ユダヤ人たちにとって、【ユダヤ人の王】というのは、「わたしの民イスラエルの牧者となるからである」とありますように、【メシア】を指す言葉だったからです。
ヘロデ王は、祭司長たちや律法学者たちを皆集めて、「メシアはどこに生まれることになっているのか」と問います。祭司長や律法学者たちは、【メシア】がどこでお生まれになるのかを知っていたのですが、占星術の学者たちのように【ユダヤ人の王】がお生まれになるという【星】に気づくことができなかったのです。さて、この【星】というのは、私たちにとって【何】なのでしょうか。占星術の学者たちのように、日常の中でイエスの心、イエスの愛に気づくということではないでしょうか。私たちは、周りの人の親切な言葉掛けや気遣いに触れて【感謝の心】を持ったり、私たちの生活の中で【生かされている】と気づいたりする瞬間などで、イエスの【愛】を感じることがあるのではないでしょうか。私たちは、日常の中で【ユダヤ人の王】の【星】に気づくことができたらいいですね。

マタイによる福音書2章1-12節

2025年1月5日

主日の福音から

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