聖霊降臨後第21主日

「優れた人物や物を他者に勧めたり、ある地位に就くのに相応しいものとして推挙したりすること」という意味として【推薦】という言葉があります。この漢字は、「推」も「薦」も「すすめる」という意味があります。このようにみますと、「誰がなんと言ったとしても、間違いない」というようにもとれます。ですから、「この人から推薦されたら間違いがない」と言うと安心できるのではないでしょうか。
ヨハネ福音書に、「父がわたしにお与えになる人は皆、わたしのところに来る。わたしのもとに来る人を、わたしは決して追い出さない」というみ言葉があります。これは、イエスのところに来る人は、御父から【推薦】された人だということです。
では、どのような人が御父から【推薦】されるのでしょうか。それは、「子を見て信じる者」なのです。御父は、「わたしたちすべてのために、その御子をさえ惜しまず死に渡される方」なのです。それほど、御父は私たち一人ひとりを愛しておられるし、一人も滅びることを望まれていません。
イエスご自身も「御心とは、わたしに与えてくださった人を一人も失わないで、終わりの日に復活させることである」と言われます。私たち一人ひとりは、御父から創られた者として生まれた時から【推薦】されているのです。しかし、私たちの傲慢さやエゴ、極度な絶望などが邪魔をして、せっかくの御父の愛を拒んでしまうこともあるかもしれません。
御父やイエスは、そのようなわたしたちの【心の扉】をいつも叩いてくたさっています。私たちは、寂しさや悲しみ、または、怒りの中で時として頭がいっぱいになって、せっかくの【心の扉】が叩かれていることに気づかないことがあります。御父やイエスは、私たちがご自分の方に振り向くことをいつも望んでおられます。
私たち一人ひとりは、御父からのアガペの愛をいただいて、【推薦】された一人としてイエスのところに行くことができたらいいですね。

マタイによる福音書5章1-12節(諸聖徒日)

2025年11月2日