聖霊降臨後第2主日
イエス様と行動を共にしていた弟子たちの中から十二人を選び使徒としました。その使徒たちに与えられた使命は、「イスラエルの家の失われた羊のところに行きなさい。行って、『天の国は近づいた』と宣べ伝えなさい。病人をいやし、死者を生き返らせ、重い皮膚病を患っている人を清くし、悪霊を追い払いなさい。ただで受けたのだから、ただで与えなさい」ということです。
このことは、まずは今神様から離れている人、神様のことを知らない人の所に行くことがまず第一です。そして、その人たちのところに行き、福音を伝えるのです。このことはけっして信者でない人に対してだけではなく、信者に対してもいえることです。また、誰か苦しんでいる人がいたならば、その人と共に歩み、その人たちの苦しみを自分のものとして受け止め、共感して、少しでもその人の苦しみを癒していくことが求められます。
そして何よりも、それは、「ただで」行わなければならないのです。「ただで」というと、金品のことを頭に思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、この「ただで」というのは、何かをしたことによって、人から評価されたり、褒められたりするということを期待したり、前提条件としないということです。
わたしたち一人一人が行ういろんな活動や愛の行いは、自分のためにやるのではなく、神様のため、他者のため、また福音宣教のために行うものです。であるならば、この世で評価されたり、褒められたりすることをまず求めるというのは如何なものかと思います。
もし、評価されたり、褒められたりすることを求めるのであれば、裏を返せば、そういうことがなければ何もしないということにもなります。それでは、神様の求めている愛の実践にはならないのです。
マタイによる福音書第9章35節-第10章8節
2020年6月14日