聖霊降臨後第18主日

今日の福音で、ルカは重い皮膚病を患っている人とイエスとの出会いを語っています。
この物語を読み聞き、祈る私たちに、イエスは、私たちが祈りの生活・信仰生活において、イエスと出会い関わる大事な姿勢を示してくださっているように思います。
重い皮膚病を患っている人が、イエスを出迎え、遠くの方に立ったまま「イエスさま、どうか私たちを憐れんでください」と、声を張り上げて言います。遠くから。声を張り上げるのです。
イエスは、自分がいやしてあげようとは言わず、祭司のところに行って体を見せなさいと言われます。そして、その10人は言われた通りに行い、その途中でいやされたのを知ります。そのうちの一人が、大声で神さまを賛美しながらイエスのところに戻ってきます。ここで、イエスのなさること、病気をいやされ賛美しながら戻ってきた人の姿を見ていると、私たちが日々の生活の中で祈り信仰生活を深めたいと思いつつも、自分はイエスの存在からとても遠く離れてしまっているのではないかと思ったり、祈っていても何の手ごたえもないように感じられ、イエスは何も応えてくれない 祈りも信仰も意味がないように思われる・・そのような時に決して諦めず、自分の心の中にある願いや叫び、痛みを、イエスの前に差し出す勇気を持つようにと、呼びかけられていると感じます。祈りや信仰生活が闇の中に包まれ重く感じる時でも、イエスと関りつづけ、絶えず、願いと祈りを捧げ続けていると、実際の生活の中で、何かが動く、何らかの形で助けが与えられる・・・そして私たちの心が、神さまへの賛美と感謝で満たされることが、必ずある、と示して頂いているように感じます。最後にイエスは、神さまを賛美しながら戻ってきた一人のサマリア人に言われます。
「あなたの信仰があなたを救った。」
賛美と感謝にあふれたこの人を見て、イエスの心も神さまへの賛美と感謝でいっぱいになり、どれほど嬉しかったことでしょう。イエスは、その人の背中をしっかり押し励まして、その人に与えられた人生の歩みを進むようにと、導いて下さるのです。
「立ち上がって行きなさい。」

ルカによる福音書17章11-19節

2022年10月9日