聖霊降臨後第19主日

「祈り」の大切さを思い出させるのが、朗読箇所です。私たちは疲れると、祈ることをやめてしまいます。神と人間との信頼に満ちた関わりは、祈りによって最も強められ、生きられるものです。ということは、もしも祈りが欠けているとすれば、私たちは神との信頼に満ちた関わりを自分から切ることになりかねません。だからこそ、イエス・キリストは弟子たちに対して、祈る生活を積み重ねるべきことを強く勧めているのです。
イエスは、弟子たちに対して絶えず祈りを献げるべきことを強く勧めています。つまり、イエスは弟子たちに対して、神への深い信頼をいだいて進むことの重要性を説きます。ふだんから、にぶい弟子たちの心を燃え立たせ、信仰者としての生き方の極意に気づかせようとしています。弟子たちの欠点は、自分たちの人間的視野だけでものを見て動こうとする「狭さ」です。弟子たちは神に頼ろうとしませんし、隣人に対しても無関心です。こうして弟子たちは、ただ自分だけを主役にしようと目論み、自己中心的な孤立状態を招いているのです。孤立した人間は、神からも隣人からも遠ざかっているので、自分の利益だけをねらって浅ましい生き方におちいることになります。それゆえ、自分勝手な態度におちいったときの弟子たちは共同体づくりができません。弟子たちはイエスのおもいに反して勝手なふるまいをつづけており、神との深い信頼関係を築けないばかりか、隣人への冷淡な態度を平気でつづけていたのです。イエス・キリストは、何とか弟子たちを神と隣人へと心ひらかれた人間として活かすべく支えようと必死になっているのです。そして、今日のキリストの弟子である私たちに対しても、キリストは必死に働きかけているのです。

ルカによる福音書18章1-8a節

2022年10月16日