降臨節第4主日

マリアへのお告げから9か月の後。主の使いの言葉はやはり「おめでとう」、「喜びなさい」という挨拶で始まる。旧約聖書においてこの挨拶はいつもメシアの訪れを民に告げ知らせ、その救いの喜びに招くものである。 マリアは「恵まれた方」と呼ばれる。神の好意をいただき、神の恵みの対象になるからである。つまり、あなたをとおして神の恵みが働かれる、というメッセージが告げられているのである。「主があなたと共に」: マリアの中の神の特別な 「実在」 を暗示していることばで、与えられる使命を果たす力を示す。マリアの反応は「戸惑い」。これは旧約の召し出し物語で語られることばである。これは恐怖ではなく、メッセージについて思い巡らしているしるしであり、ルカ福音書でのマリアの心の特徴である 。

ルカ1:30ー31で、天使は再び神からの恵みをマリアに告げる。「あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい(1:31)。」このお告げは神からの救いであり(イエスという名は “神が救ってくださる”という意味)、あくまでも神のイニシアチブにより与えられる救いである!後半においてマリアはこの恵みを “自分の召し出し” として受け止める。ここで初めて、「生まれる子供」の課題が物語の中心になる。 この課題はマリアの召命、すなわち「この子供の母親になる」ことを“具体化”していく。マリアは、ヨセフと婚約しているが、まだ “この男との交際” をしていないので、異義を唱えるが、天使は聖霊による業であると明かし、子供の誕生の実現をさらに約束し、しるしを与える。「神にできないことは何一つない 。」しかしながら、この神は救いの実現のために、人々の協力を望まれる神である。 マリアは自分の召命を受け入れることばで答える。 それは彼女の深い信仰のあらわれである。「私は主のはしためです。 お言葉どおり、この身になりますように。」 この福音書のことばによって彼女は降臨節にキリストを迎える人々の「モデル」になる。神の聖霊の働きを受け入れる人を、神はご自分の住まいとされる。 それこそ我らのクリスマスの喜びのニュースである。

ルカによる福音書1章26-38節

2023年12月24日