聖霊降臨後第19主日

「至れり尽くせり」という言葉がありますが、この意味は「行き届いていて、申し分のない様子」(『新明解国語辞典』)とあります。私たちは、このようなもてなしを受けたことに気づいた時、相手に対して感謝の気持ちを持つことでしょう。しかし、受けたことに気づかず、当たり前のように接した場合は、感謝の気持ちも起こってこないのではないでしょうか。時には、振り返って「私はどちらのタイプなのだろう」と考えてみることもいいかもしれませんね。
今日の福音は、ぶどう園の主人と悪い農夫たちのたとえ話です。みことばは、「もう一つのたとえを聞きなさい。」という言葉から始まっています。この前のたとえ話は、父親が兄弟それぞれにぶどう園に行って働くように頼むものでした(マタイ21:28〜32参照)。イエスは、このたとえ話を人々に話された後、さらに今度は、「ぶどう園の農夫」についてのたとえを話されます。
イエスは「ある家の主人がぶどう園を作り、垣を巡らし……これを農夫たちに貸して旅に出た」と話し始められます。この家の主人とは、神さまのことを指し、農夫たちとは、イスラエルの民のことを指しているようです。主人である神さまは、ご自分が創造された人間に対して、良いぶどうが実るために相応しい準備をなさいます。
しかし、農夫たちは、自分たちが受けた神さまの愛に気づくのではなく、実ったぶどうを自分のものにし、あろうことか、主人が送った僕(預言者)たちをことごとく殺してしまいます。さらに、主人の息子(イエス)までも殺して「相続財産を我々のものにしよう」とまで企てるのです。
私たちは、神さまから受けた恵みに対してどのように応えているでしょうか。この悪い農夫のように、あたかも自分の力で得たように、自分の功績を誇り固執していないでしょうか。私たちは、神さまから計り知れない恵みをいただいていることに気づき、謙遜な心で日々を送ることができたらいいですね。

マタイによる福音書21章33-43節

2026年10月4日