聖霊降臨後第20主日

今日の福音では、イエスに「永遠の命を受け継ぐには、何をすればよいでしょうか」と尋ねた人とイエスの出会いが語られています。
イエスは、彼の問いに次のように答えられます。
「“殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証するな、奪い取るな、父母を敬え”という掟をあなたは知っているはずだ。」すると彼は言います。
「そういうことはみな、子供の時から守ってきました。」
イエスは、彼を見つめ、慈しんで言われます。
「行って持っている物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。」
このイエスと彼のやり取りは、実に感動的です。
イエスは、彼の子供の時からの歩みと永遠の命にあこがれる思いを尊重し、そのような彼に慈しみのまなざしを注がれます。そうです。イエスは、わたしたち一人一人の人生の歩みと永遠の命への渇望を尊んでくださるのです。慈しみのまなざしでもって。
しかし、彼はイエスの言葉に気を落として悲しみながら立ち去っていきました。たくさんの財産をもっていたからです。イエスも、とても悲しかったでしょう。イエスは、彼との出会いを通して、弟子たちや私たちに“自分より弱い人や貧しい人への思いやりや優しさを行いで表すことが、天に富を積むことであり、それが永遠の命を受け継ぐ道である”と教えてくださっています。イエスは弟子たちに言われます。「金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだやさしい。」
これを聞いた弟子たちは、びっくりして「だれが救われるのだろうか」と言い合います。
イエスはまた、彼らを見つめて、彼らに慈しみのまなざしを注いで、言われます。
「神にはできる。神は何でもできるからだ。」
このイエスの言葉に、救いを感じます。
神の救いは、すべての人に開かれている。神の恵みと慈しみは人の思いを遥かに超え、計り知れない。
すべての人の救いを望んでくださる主よ
あなたを待ち望みながら、日々歩んでいけますように。

マルコによる福音書10章17-27節

2021年10月10日

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