降臨節第4主日
「おとめ」が「神の子」を産むという聖書のメッセージは、純粋な者が神の呼びかけにこたえて新たな時代を切り拓くという意味に等しいものです。
古代のイスラエル社会では「おとめ」や「子を産まずに年老いた女性」を未熟な者とみなす風習がありました。言わば、古代のイスラエル社会には、子どもを産み育てた女性が成熟した人間として歓迎される風潮があったわけです。
ということは、マリアが「おとめ」として神の意にかなう者となっている事実は私たちに勇気を与えてくれることになります。
世間的に、未熟な者とみなされていた人間が、神からは認められて重大な使命を託されることになっているからです。
その意味で、マリアの姿は私たちの可能性を保証してくれる先駆けとして価値があります。
マリアの親戚のエリザベトもまた「子を産まずに年老いた女性」でありながらも子を宿しました。
神のわざの偉大さを確認させるメッセージとして、マリアとエリザベトの名が聖書に刻印されているのです。
しかも、ダビデ王家の血筋の重要性ということも、今日の聖書の朗読箇所から伝わってきます。
マリアはあらゆる意味で新たな時代を切り拓く者としての理想の姿を私たちにみせてくれるのです。
降臨節は、私たち自身もまた新たに生まれるとともに、後の時代を創る子孫を産みだすことの意義を深く黙想するひとときなのです。
マタイによる福音書1章18-25節
2022年12月18日