復活節第2主日
「信者」を分解すると「信じる」と「者」となります。そして、「信者」を辞書で引くと「その宗教の宗旨を信仰する人」(『新明解国語辞典』三省堂)とあります。私たち洗礼の恵みをいただいている人は、イエス・キリストを【信じる者】という意味で、【信者】となるわけです。
今日のみことばは、イエスが復活した日の夕方に弟子たちの所にお現れになり、聖霊を授けられた場面と、その8日後にトマスにお現れになる場面です。トマスは、復活の日の夕方にほかの弟子たちと一緒にいませんでした。そのため、彼は、ほかの弟子たちが「わたしたちは主を見た」と言ったときに「あの方の手に釘の跡を見、この指を釘跡に入れてみなければ、また、この手をそのわき腹に入れてみなければ、わたしは決して信じない」と言います。
イエスは、そのトマスのために8日後にお現れになり、「あなたの指をここに当てて、……信じない者ではなく、信じる者になりなさい」と言われます。今日読まれるみことばの中には、「信じる」という言葉がよく出ます。使徒言行録では「信じた人々の群れは」という言葉から始まっていますし、使徒書では、「イエスがメシアであると信じる人は皆」とか、「イエスが神の子であると信じる者ではありませんか」とあります。そして、福音書の最後には、「イエスは神の子メシアであると信じるためであり、また、信じてイエスの名により命を受けるためである」とあります。
最初トマスは、イエスの復活を【信じる】ことができませんでしたが、復活されたイエスがお現れになり、「……信じる者になりなさい」と言われた後に「わたしの主、わたしの神よ」と言ってイエスの復活を【信じ】ます。
私たちは、肉眼で復活されたイエスを見たことがありません。しかし、イエスが復活したこと、イエスがメシアであることを信じ、洗礼の恵みをいただきました。私たちは、改めてこの恵みを味わい、復活されたイエスとともに歩むことができたらいいですね。
ヨハネによる福音書20章19-31節
2024年4月7日