聖霊降臨後第15主日

イエス・キリストは弟子たちを育てます。「あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。」神は相手を大切にするお方です。地上の富は単なる一時的な豊かさしか実現させません。そして富を独占している人は、他者を蹴落として格差社会をもたらすのです。アモスの預言のなかに登場する無慈悲な金持ちたちと悲惨な庶民たちの越えがたい格差は、今日の地球上の南北格差としてもつづいているのです。
こうして考えるだけで、私たちは富の限界に気づかされます。神と富とを比較してみると、明らかに神が重要に見えてきます。
ところが実際には、多くの人は富を選びます。つまり、一時的な豊かさを自分の身を守るためだけに確保しようともくろむのが、人間の弱さなのです。手っ取り早く、この世で安全な状況を創り出そうとして、私たちは富に頼ります。
たしかに、あらゆる人間関係はいつ崩れるかはわかりません。富は、一応は私たちの暮らしを支える自由さを与えてくれます。しかし神は、相手を大切にしますが、相手のわがままをそのままかなえるわけではありません。
多くの人々は自分のわがままをかなえようとして、富をよりどころとして確保しようと必死です。自分の身を守るために、手っ取り早い解決策を目指す人間は、まるで今日の福音朗読箇所に登場する「不正な管理人」のように見えています。正しい主人から追い出されようとしている「不正な管理人」は、まさに手っ取り早く富の力で友人を増やそうとしています。

ルカによる福音書16章1-13節

2022年9月18日