聖霊降臨後第7主日

今日の福音で、イエスは弟子たちを派遣されます。一人ずつではなく、二人ずつ組みにして。このようにして弟子たちを送り出すイエスの思いに、心を傾けてみたいと思います。どのような言葉でイエスは弟子たちを励まし、使命を託されたのでしょうか。
二人ずつで遣わされる・・・。一人だと、自分一人でがんばらなければなりません。二人だと、助け合い、分かち合うことができます。イエスは、弟子たちが二人で一緒に歩むことを望まれました。「汚れた霊に対する権能を授け、旅には杖一本のほか何も持たず、パンも、袋も、また帯の中に金も持たず、ただ履物は履くように、そして『下着は二枚着てはならない』と命じられた。」このイエスの言葉に耳を傾けていると、私たちが神様の豊かな恵み、しかもあふれるほどの豊かな恵みに気づくように、また、その恵みの中で生きていく喜びを人々に伝えることができるようにとの思いが伝わってきます。「あなたがたを迎え入れず、あなたがたに耳を傾けようとしない所があったら、そこを出ていくとき、彼らへの証しとして足の裏の埃を払い落しなさい。」このイエスの言葉の意味が、始めのうちはよく分かりませんでした。でも、イエスの最後の晩餐での姿、あの、食卓の席から立ちあがり、弟子たちの前にひざまずき、足を洗われた姿を思い出したとき、この愛と赦しの使命を弟子たちに託すイエスの思いに、深く心打たれました。八木重吉の詩集の中にあった一つの詩には、このように書かれていました。“私は、赦しを生きることを生涯自分の仕事としたい。” うろ憶えなので、正確には憶えていませんが、なぜか私の心に響いたのです。でも、意味はよく分かりませんでした。しかし、今日のイエスの言葉、弟子たちを遣わされるイエスの思いに心を向けていると、あの時、私の心に響いた重吉の詩が、再び私の心の中で響き渡りました。
すると、イエスのこの言葉が思い出されました。
「思い煩うな。」「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。」私たちもイエスから遣わされます。私が、あなたが、今、置かれているところで。

マルコによる福音書6章7-13節

2021年7月11日