大斎節第4主日

今日の朗読箇所では、食事の奇跡について描かれています。
旧約時代、召し使いが「どうしてこれを百人の人々に分け与えることができましょう」と疑い、神の人エリシャが「主は言われる。『彼らは食べきれずに残す』」と言ったとおりになったように、福音書ではアンデレが、「こんなに大勢の人では、何の役にも立たないでしょう」と言ったほんの僅かなパンと魚によって、すべての人が満腹し、しかも残ったパンの屑で、十二の籠がいっぱいになりました。

何と神秘的で、不思議で、感謝に満ちた出来事でしょうか。
貧しさのうちにあって、すべての人の体も心も満たされたのです。食事をすることの意味が、ここに見事に表現されています。それは、共に食する人と人が親密さを増すことでもあり、また、和解することでもあります。少年の小さな持ち物が皆に分かち合われることによって、このような食卓が実現するとは何と感謝すべきことでしょう。

パウロは、私たちが一つの体、一つの霊に結ばれ、一つの希望にあずかるように招かれていると、言っています。
高ぶることなく自分の貧しさを認めながら、柔和で、寛容の心を持ち、愛をもって互いに忍耐し、平和のきずなで結ばれることは、食卓を共にする中で実現することでもあるでしょう。

私たち小さき者が共に食事にあずかって、一つの希望、一つの信仰、そして、主との一致に留まることができるように、祈り求めていきましょう。

ヨハネによる福音書6章4-15節

2024年3月10日

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